日本文化私見 by J Eric Yingling

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アメリカでは、日本の言葉や文化について問われることがよくある。そういう時、僕は日本の代表者ではない、と注意をした上で、日本を代表して、色々と答える。外交、友好、文化交流は市民の仕事、義務だと僕は本気で考えている。政府が戦争や軍備や他のアホなことに励むのをよそに、僕や、僕の世界中の仲間たちは国境なんて、とっくの昔に超越している。旅は人間を作るし、旅から学ぶことも多い。僕の日本の仲間は、右寄りも左寄りもいるし、パンクスもいるし、写真家、ビジネスマン、水商売、ヒッピー、外国人、占い師、ラスタマン、在日韓国人、労働者、大学教授、猫マニア、洋服屋、プログラマー、漫画家、棋士、などなど、多種多様で、本当に素晴らしい。日本は文化的な国だと思うし、これこそが日本の素晴らしさではないかとつくづく思う。僕はパッと見、日本人には見えないので、もっと日本人っぽい日本人はなおさらこういう体験をしていると思う。日本は実は、僕が思っている以上に許容力があって、多分、江戸時代あたりからある意味、近代社会としては独自の都会的な自由を追求し、その後いくらか不自由な国家を形成したように感じる。戦後の日本があまりに経済を優先した結果だろう。

日本人があまり知らない現実として ー これについて僕は複雑な心境だけど、世界のどこへ行っても、日本人は優遇されるし、日本人だという理由だけで、信用されるし、何よりリスペクトされる。旅をする人は知っていると思う。僕の友達で、ロボット工学の専門家のヴェトナム人は織田信長や小林秀雄に夢中で、ペルシャ人の友達は合気道が大好きで今や三段、東海岸出身の黒人のショーンは若い時に日本のアニメとゲームに大ハマりして日本語がペラペラ、でも日本には行ったことがない。そして、僕らがボブ・マーリーや2PAC、サンタナに傾倒するのと同様に、みんな座頭市やゴジラ、坂本龍一、漫画や武道、小津安二郎、宮崎駿など、世界で加速する日本愛に拍車をかけるように、いたるところで、ジャポニズムを発揮している。SFベイ・エリアの飲食店なんて、日本だけでなく、アジア全体で複雑に各地の食文化が交錯して、日本によくある美味しいものなんて今時都会では珍しくもない。

いつからか、僕は市民レベルの外交官でありたいと妄想するようなった。というか、今は本気でそう思っている。国防なんて実にくだらないし、必要ないと思う。国を守る、自分の身を守る、ランボーじゃあるまいし、外国のアホなとこだけ真似するのはいい加減にしたい。やられる時はやられるわけだし、日本人の美徳とか、カルチャーと言うなら、戦わずして勝つ、これが武士道の精神でしょ。日本男児と言うなら、日本のかっこいい男というのはまずケンカなんてしない。国防なんて、いらんよ。日本は平和なところ、リスペクトフルなところ、そして、文化、生きる姿勢の深み、芸術、伝統、工芸、ポップ・カルチャー、食、美的感覚、ユーモア、美しい自然、ミニマリズム、こういう精神的、文化的な特性、強さが尊敬されてるんだぜぇ〜!! 世界が日本文化に夢中ってのは、そういうことさ。

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