Interpreting

翻訳業と通訳業は似ているようで随分と違う。どちらも言葉の能力を駆使する職業でありながら、翻訳業では主に対象とするニ言語の文法力や語彙力、表現力、文化的、ビジネス的な知識が試されるのに対して、通訳業においてはその上更に社会性や社交性が大きく問われる。基本的に、僕は言葉は何をどう言わんかとすることよりも、その言葉を発することによって、何を成し遂げようとするかが重要だと考えていて、そういう意味で、秀逸な通訳者は国際ビジネスの分野に多い。例えば、ビジネスの場面で通訳をするのであれば、多くの場合そのゴールはなんらかの契約を結んだり収益を伸ばしたりすることであって、正確な訳なんてさほど重要でもないことがよくある。契約を成立させたり品物を売るには方便も誇張も曖昧な表現もありがちなことだからである。だから、僕にとって翻訳業は通訳業と比較して、そういう意味でストレスも少ないと考えている。

 

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