Japanese Rastafarians

ラスタファリズムと言えばその発祥地であるジャマイカを思い浮かべる人も多いだろうけど、実は日本もラスタファリ大国である。日本はラスタの男性や女性もヨーロッパやアジアの他国と比較して桁違いに多いし、ラスタファリズムと密接な関係にあるレゲェも、希少価値のあるレコードやコレクター物については、ジャマイカ国内での売り上げを日本が凌ぐとまで言われている。もちろん、レゲエにも多くのサブジャンルがあるし、発売されるレコードの数も多いので一概には言えないが、このような日本のラスタファリ文化への偏愛傾向は70年代にはじまり、80年代、90年代にピークを迎え、ファッションとしてだけではなく、宗教や哲学としてのラスタファリズムも今やすっかり日本に定着している。桜に囲まれた日本の美しい山岳で家族と暮らすラスタマンやラスタウーマンもいるし、沖縄やカリブ海周辺、そしてアメリカの都市部で暮らす日本人ラスタも僕は数多く知っている。これはおそらく基本的にはラスタファリズムにおけるアニミズムや汎神論的傾向、天皇制とエチオピア皇帝崇拝の類似点、そして、ヨーロッパやアメリカの植民地主義や奴隷制度への反発が大きいと思う。あまり知られていないが、多くの日本人ラスタやジャマイカ独自の歴史と文化を愛する者たちの中には、政府の外交とは無関係に80年代頃からジャマイカと日本を往復し、地元のラスタマンたちと交流を深め、家族のような信頼関係を築いている者もいる。僕は日本的なラスタファリズムは世界に誇りうる文化だと考えているし、水面下で繰り広げられる日本人とジャマイカ人の市民レベルの友情と外交は本当に素晴らしいことだと思う。

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