Flexibility

もうひとつ通訳業と翻訳業の大きな違いは、原語を受けて適切な訳を考えてから、それを言葉にするスピードである。そのため通訳は頭の体操にもなるし、会話の先をある程度読む力も必要になってくるが、しかし予測を誤ると、時間の制約などがある場合は取り返しのつかないことになりかねない。だから手持ちの札として、いくつか柔軟性があって曖昧に使える便利な単語や表現を予め用意しておいて、予測不能な事態に備えておくのもプロの通訳者としての仕事である。同時通訳なら尚更のこと、経験で得た多様な言葉を駆使して、次から次へと降りかかる言葉に対して、臨機応変に対応していく他ない。

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